2011年3月17日木曜日

die Entrüstung

お店は今日も満席でした。多くの方が僕のお寿司を注文し、喜んで満足して帰って下さる。ある方は「ミュンヘンやハンブルグ、ベルリンで食べたどの寿司よりもおいしい」と絶賛して下さる。ありがたく、光栄にそのお言葉を頂けばいいのに、この頃の僕はそれを素直に受け入れられない。


満席で座れなくて文句を言う人。酔っぱらって大声で笑う人。持ち帰りは受けてないのに、自分を「常連客なんだからやってくれてもいいだろ」と憤慨するおかしなひと。なんだかんだにぎやかに色々な出来事が毎晩店で繰り広げられる。大量に通ってくるオーダーに、右ひじの関節炎は悲鳴を上げている。コルセットをしていても殆んど意味がないくらい、この頃は状態が良くない。
それでも自分が引いたハードルを下げることなく、クオリティーだけは維持し、また向上させんと懸命になる。


 そこに舞い降りる疑念。今の日本を思えば、こんな風に我関せず…といった感じで酒を飲んで馬鹿騒ぎはできない。俺はここで何やってるんだろう…、なんて考えてしまう。なんでこんな風に無神経に騒いでる連中相手に、自分の肘の関節炎の痛みをこらえてまで必死に仕事しなくちゃならんのだろう…。


でもこんな風に考えるのは料理人としては失格かな。海外で生きていこうと決意したはずの僕の根底をたやすく揺さぶっている。

0 件のコメント:

コメントを投稿