2009年9月1日火曜日

遠く離れて・・・


初めて飲食の世界に入ったのは27歳の時だった。周りは早い子で高卒。

僕は明らかにおっさんだった。僕は自分よりも10歳くらい違う年の子に包丁の持ち方や食材の扱い方を習いました。多分、僕よりも相手のほうがやりにくかっただろうなと思います。不満や苛立ちもあっただろうに、黙って根気強く教えてくれた皆に感謝しています。そうしてお世話になった店に、先月奥さんが一時帰国した際に立ち寄ってくれたのですが、あまりの変化にかなり驚いたと言っていました。

僕を育ててくれたその店はいつも活気があって、働く人間に活力と魅力がありました。ただ外食に来ただけだけれど、何故か元気をもらえる、そんな店だった。

「いまの×××は違うで。もうあの頃の活気はあらへんかった」

そう聞いたとき、本当にがっかりしてしまった。実際に自分の目で見たわけじゃないから、そう簡単に肩を落とすのは早いのかもしれない。でもその店の求人広告を見つけて真っ先に「受けに行ったら?」と薦めたのが奥さんだった。奥さんは学生の頃からその店にはよく通っていた常連だった。そんないきさつがあったから、奥さんの言う「失望」という感想にあながち疑心暗記になることもできなかった。

もし僕が日本に帰ったら、真っ先に立ち寄るとするなら、それでも僕を育ててくれたそのお店に真っ先に行きたいと思います。そこの社長と奥さんに会って、当時のことを深々とお礼を言いたいです。
でもまだまだ帰る予定はないんですけれど・・・。

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