食べ物が美味しく食べられるというのは本当に幸せなことです。ドイツに来る前の年・2006年、僕は3回大きなケガと病気で医者にかかった。2回は入院までして、その時の病院食の不味さと惨めさは今でも忘れられない思い出です。仕事柄、食事にはなるべく「発見」と「冒険」と「鍛練」と「工夫」のいずれかを取り入れて摂るようにしています。世界は広く、文化は深い。歴史に根付いた食文化に学ぶべきものは無限にあるはずだと。…ま、結局食いしん坊なんですね。
これは家の近所にあるクロアチア料理レストランのグリル盛り合わせ"Balkanplatte"。持ち帰りを頼んでみました。
ドイツではトルコやスペインのマヨルカ島などが夏のリゾートとして有名ですが、近年新しいリゾート地として注目を浴びているのがこのクロアチア。東ヨーロッパはバルカン半島に位置する共和制国家で、南はアドリア海に面した美しい国です。歴史的背景はユーゴスラビアからの独立を経て長い紛争に治安も不安定だったけれど、その美しい海沿いの街の景観から、ヨーロッパの新しい観光都市として今変貌を遂げようとしているようです。
お味はギリシャ料理と似ていますが、味付けはギリシャ料理よりもハーブやスパイスの味付けが薄味で、ボリュームの割にはあっさりとしています。肉は豚肉と牛肉、それとラム肉のひき肉で作った”つくね”のようなものがMixで入ってます。12Euroで少し高めかな…と。
これは北ドイツ独特のKaltessen(冷たい食事)です。
皿の中央にドカンと乗ってるのが”Bismarck Hering”酢漬けの鰊です。塩漬けや油漬けがありますが、この方が日本人には癖なく頂けるかも。酢も甘酢で、ローリエの葉と粒コショウで漬けてました。
上左はHeilbutt(オヒョウ)の燻製。北ドイツと言えば魚の燻製で、鯖やウナギ、ニシンや鱒、鮭などなど、機会さえあれば色々試してみようと思っています。で、このオヒョウの燻製。味は水っぽく、正直あまり美味いものではない。で、どうすれば美味しく頂けるか、ですが。レンジでチンして醤油を垂らすと、何とあの銀睦の風味に似ているではないか! と新しい発見。これなら白い飯にも合いますね。
右下のは”Krebs Honig Senf”と称したサラダ。いわゆるザリガニ(の、ちっこいやつ)を蜂蜜と西洋からしで和えたサラダです。これをキュウリと一緒に食べてみた。…が、まずこれキュウリに合いません。ザリガニの臭みがキュウリの青味と合わさって…何とも言われぬ風味に。けれどサラダだけで食べると意外に美味しい。蜂蜜の甘みとSenfのほのかに鼻に抜ける風味とザリガニの野性味ある味がマッチしていて、これはこれでもう完成された味付けだな、と実感。
それにしても同じ海産物も土地によってえらく違ったものに変化するもんだと感心します。
おまけに、写真上に写っているのはスペイン産の柿。形は"江戸柿"ですが、味と食感は"平刀種柿”でした。こっちでも秋には割と安く買うことができるので柿好きにはたまりません。