料理人になるまでは、いろんな職を転々としてました。
公設市場の八百屋の売り子、レンタルビデオ店員、フランスレストランのウェイター、和洋菓子販売員、中央卸売り場の仲買、トラック運転手・・・・こうして並べてみると、実に統一性にかける選択だ。
結局、自分が本当にやりたいことが見つからなかったから、とにかく目に付くものに飛び込んでみた感じ。・・・で、その結果分かったことは、自分が楽しんで、興味を抱いて取り組めないことにはどれだけやっても上達しないし、続けられない、と言うこと。
これがわかっただけ、僕はもうけもんだと思っている。
ものすごく遠回りしたけれど、経験から学んだことは、確実に自分の血となり肉となり、骨となっているから。
仕事は毎日同じことの繰り返しだけれど、お客さんにとっては違う。まったく同じお客さんが来るわけじゃないから。だけどこっちは準備からはじめてやる手順はほとんどが毎日同じ。こっちは毎日やることにブレがあると、お客さんには喜ばれない。同じレベルを維持しながら、日々さらに創意工夫をして向上する。
盛り付けや、提供の仕方を工夫し、たまにあるイレギュラーな要求にも柔軟に、臨機応変に対応する。
どんなにお金をかけて広告するよりも、顧客満足を高めて口コミで広めていく評判に勝るものはない。
なかなかホント、好きでないと続けられないきつい仕事です。楽しんでやると、そのときのしんどさは忘れちゃうんですけどね。
27で料理の世界に飛び込み、37で渡独。Köln Kielを経て、現在München在住の日本食料理人。47で新しいスタートを切るべく日々精進を続けています。行ける所まで、とことん挑み続けよう。
2009年10月31日土曜日
2009年10月30日金曜日
料理人
「 料理人」って素敵な職業だと思います。
誰かのために料理を作る、そのためのプロであること、それを極めること、そうあろうと努力すること。
「料理人」は自分のためにはやり続けれない仕事だと思います。
「料理人」は、誰かのために精進できる仕事・・・・だと僕は思っている。そのことに一生懸命なれると言うことを、僕は忘れたくないなぁと、思います。
もし自分ひとりしかいなかったら、たぶん料理なんて作らない。
そこに食べてくれる人がいるから作る。
そこに「美味しい」と喜んでくれる人がいるから作る。
店のお客さんで、僕の休みの日は来ないと、言ってくださる方がいます。税理士をされている方で、ある日、僕の休みの日に来店されて、寿司を食べずに天ぷらを食べて帰られたと聞きました。
その方は「君の作る寿司しか食べないからね」と、言ってくださる。
「私は長年この店に通ってきたけれど、今日食べた寿司が一番おいしかった」といってくださったのはルフトハンザの重役を務める方。
料理人は、そんな方々の一言で一言一言に活かされて、また前に進めるのです。
誰かのために料理を作る、そのためのプロであること、それを極めること、そうあろうと努力すること。
「料理人」は自分のためにはやり続けれない仕事だと思います。
「料理人」は、誰かのために精進できる仕事・・・・だと僕は思っている。そのことに一生懸命なれると言うことを、僕は忘れたくないなぁと、思います。
もし自分ひとりしかいなかったら、たぶん料理なんて作らない。
そこに食べてくれる人がいるから作る。
そこに「美味しい」と喜んでくれる人がいるから作る。
店のお客さんで、僕の休みの日は来ないと、言ってくださる方がいます。税理士をされている方で、ある日、僕の休みの日に来店されて、寿司を食べずに天ぷらを食べて帰られたと聞きました。
その方は「君の作る寿司しか食べないからね」と、言ってくださる。
「私は長年この店に通ってきたけれど、今日食べた寿司が一番おいしかった」といってくださったのはルフトハンザの重役を務める方。
料理人は、そんな方々の一言で一言一言に活かされて、また前に進めるのです。
2009年10月26日月曜日
~空~
2009年10月19日月曜日
2ヵ月後には・・・僕も
先日の友人宅での誕生日パーティー。
友人と僕の二人でいろいろお料理を作ってもてなしました。
巻寿司(4種)、生サーモンの生春巻き、ホタテバター焼き。
手作りカレー、ギリシャ風トマトと牛肉のグラタン、サラミ・生ハム各種、などなど・・・・。写真はパーティーも終盤の頃。みなほろ酔いでマッタリ中・・・。
・・・いやぁ、またよく飲んだ。ビールにはじまり、フランス産ボルドーの赤を2種類、最後はシュナップス。
それにしても弱くなった・・・と最近ひしと感じます。後半、転寝をしてしまった。
僕も約2ヵ月後には40・・・かぁ・・・・。
この友人とも人生の半分を共に過ごしてきたことになるな。お互い、いろんな一面に遭遇してきたな。・・・ふぅ。まだこれからなんですが、ね。
友人と僕の二人でいろいろお料理を作ってもてなしました。
巻寿司(4種)、生サーモンの生春巻き、ホタテバター焼き。
手作りカレー、ギリシャ風トマトと牛肉のグラタン、サラミ・生ハム各種、などなど・・・・。写真はパーティーも終盤の頃。みなほろ酔いでマッタリ中・・・。
・・・いやぁ、またよく飲んだ。ビールにはじまり、フランス産ボルドーの赤を2種類、最後はシュナップス。
それにしても弱くなった・・・と最近ひしと感じます。後半、転寝をしてしまった。
僕も約2ヵ月後には40・・・かぁ・・・・。
この友人とも人生の半分を共に過ごしてきたことになるな。お互い、いろんな一面に遭遇してきたな。・・・ふぅ。まだこれからなんですが、ね。
2009年10月17日土曜日
工事中
写真は店の前の歩道脇。
レストランの入っている建物の天井を修理するといって、その前の道路を囲って工事現場の足場を組み立てているところ。まぁ、必要な工事なら仕方ないが、何の前触れもなくいきなり店の前を封鎖して工事しはじめるなんてなぁ・・・。何しろ、この囲いの中は駐車スペースにもなっているんだから・・・。
・・・ぶつぶつ・・・
小言はこのへんにして、路肩に積もる落ち葉を見ても、ドイツには確実に秋が深まりつつあることがお分かりいただけると思う。日差しは眩しくて、天候もよさそうに見えるけれど、この日の朝の気温は3度です。見事に・・・冬っ!・・・です。秋を通り過ぎてます。
・・・・さむっ!・・・・・
明日は友人宅で、友人の誕生日パーティーに参加。僕も少しばかり料理を提供するつもり。まだなにを作るのかはハッキリ決めてないです。とりあえず、明朝仕入れに出かけて決めるつもり。さて、なににしようか・・・。
レストランの入っている建物の天井を修理するといって、その前の道路を囲って工事現場の足場を組み立てているところ。まぁ、必要な工事なら仕方ないが、何の前触れもなくいきなり店の前を封鎖して工事しはじめるなんてなぁ・・・。何しろ、この囲いの中は駐車スペースにもなっているんだから・・・。
・・・ぶつぶつ・・・
小言はこのへんにして、路肩に積もる落ち葉を見ても、ドイツには確実に秋が深まりつつあることがお分かりいただけると思う。日差しは眩しくて、天候もよさそうに見えるけれど、この日の朝の気温は3度です。見事に・・・冬っ!・・・です。秋を通り過ぎてます。
・・・・さむっ!・・・・・
明日は友人宅で、友人の誕生日パーティーに参加。僕も少しばかり料理を提供するつもり。まだなにを作るのかはハッキリ決めてないです。とりあえず、明朝仕入れに出かけて決めるつもり。さて、なににしようか・・・。
2009年10月15日木曜日
使い道のない風景
2009年10月10日土曜日
日差し
2009年10月9日金曜日
・・・やれやれ、な出来事
こっちにいる人に多くの場合共通して言えることは、素直に自分の非を認めない、ことです。
ハタから見てそれは絶対おかしいだろう、ということでさえも、その原因は他者にあると平然と言えること。自分に非はない、もしくは間違っていないと信じて疑わないから、そう言う人と関わっているとストレス・・・たまります。
例えば、オーダーを「トロ」なのに「とびっこ」と間違えて通してしまった。この場合僕は当然注意しますよね。「全然違うじゃないか。もっと正確に確認して通してくれ」と。しかしこの場合だって「だってお客さんはとびっこって言ってました」の一点張り。挙句の果てにはお客さんのところまで言って「とびっこって言ってましたよ」といいに行く始末。
・・・・疲れます。
欧米社会、それは自己主張をする国なんですね。
例えば赤ん坊が泣いていても「よしよし」なんてあやしません。むしろ親は少し煙たがったり、迷惑そうな表情を浮かべるのです。赤ん坊の主張と、親の主張が交錯するだけ。親が折れて子をなだめると言う光景は、こちらでは本当に稀なんです。
少し話は違いますが、列車が平気で遅刻します。時刻表なんてあってないようなものです。何も知らずにドイツで列車の旅をしようものなら大変な目にあいます。特に乗り換えなんか、時間に余裕がないような連絡は危険極まりないです。僕の友人なんか目の前で乗り換えする列車が出発していく様を歯軋りしながら眺めた経験を持っています。
僕だって、空港駅で人を見送りして帰りの列車を待っていたら、ホームが列車到着の2分前に変更になり、しかもその変更したホームが、全く違う地下鉄のローカル線だった時があります。僕は電光掲示板に映されたその文字にいち早く気がついて走ったのですが、それでもギリギリ間に合ったという有様。大きな荷物を持っている旅行客にはおそらく気が付くことすらできないような感じの出来事でした。
あるとき乗客と乗務員の間で口論があって眺めていたのですが、列車の遅れに関してのクレームだったのですが、職員にしてみれば、その列車の遅れは俺の責任じゃない、と平気で客の文句を払いのけるのです。「あんたには気の毒だけれど、そのことで私を責めたって仕方がないんだ。筋違いというもんだよ。とにかく列車はあと少しで着くと思う。待つしかないだろう?」てなもんです。
そう言う社会の中で生活していると、だんだん気持ちがおおらかになっていく気がします。というか、そうならざるを得ない・・・というか。そうでないと身が持たない・・・んですね、きっと。
2009年10月7日水曜日
続けること
今の店のオーナーから新しい仕事が舞い込んできました。新規オープンした店の成績が思わしくなく、大きく建て直しを計る為にその店を任せると言うことみたいです。
うちのオーナー、いつも思いつきのお天気やですから、どこまで本気なのかいまだによく掴めなかったりするのですが、この店にい続ける以上、将来的にそのことも視野に入れておかなくてはならないことに違いはないでしょう。
僕としては今も転職先を探しているところです。スイス(ローザンヌ)の5つ星ホテルの日本料理レストランへの話が持ち上がったのですが、現地がフランス語ということで、せっかく慣れはじめたドイツ語の学校に通う子供達を思うと、あまりにも話が現実的でないことに気付き、辞めました。僕としては生活面での言葉の障害から来るサポートを補ってもらえれば・・・と安易に考えていたのですが・・・。
海外では世界金融恐慌の煽りで日本食レストランが軒並み閉店に追い込まれていると聞きますが、そうして帰国する日本人コックが続くことで、また日本人コックが海外で不足している・・・というパラレルワールドが発生しているみたいです。
この夏は、近くにあったいくつかのレストランとカフェが閉店しました。
今いる店は創業20年。長くやっている分、安定して来てくださるお客様も多いです。ドイツでは新規オープンの店は軌道に乗せるまでの道のりはかなり厳しいみたいです。ドイツ人気質なのか、長年ある習慣や嗜好は滅多なことでは変わることがありません、ですから新しい店に呼び込み、そこの顧客にするには並々ならぬ努力と工夫が必要です。
しかし僕にはいくつかのアイデアがあります。
顧客を掴むための施策。
大切なのはそうして考え、実行し、つづける・・・ということではないだろうか。最も重要なのは、最後の「つづける」ことだと僕は思っています。「これ」をつづけること。これが一番難しい。
2009年10月5日月曜日
活かされている
「本日、お寿司が少し時間がかかります」 込みみはじめたとき、ホール係がお客さんにひとこと言ってくれるのですが、多くのお客さんが「かまわないよ、ここの寿司を食べに来たんだから」とこころよく待ってくれます。
この不況の時代、決して安くない金額の寿司を長時間待ってくださるお客さんに、頭が上がりません。
僕が今の店の寿司を任せてもらえるようになってから、その月のおすすめ寿司は一度として同じものを作りませんでした。(あ、嘘。一度だけ自分が夏期休暇に入る時だけ同じのを出しました)
ですからもう二年分、つまり約24種類の創作寿司を作ったことになります。
今では毎月の新しい寿司を楽しみに来てくれる固定客もできました。その方は月初めには必ず来店して注文してくれます。また「3ヶ月前に食べたあの寿司をもう一度食べたい」といってアンコールしてくださるお客さんもいます。そんな自分のファンになってくださったお客さんを裏切るまいと、今日もまた新しいネタを練っています。
人は一人では生きていないし、また生きていけない。人は人に活かされ、人として生きるのだ、と切に思います。自分を待ってくれる人、自分を評価してくれる人、自分を必要としてくれる人、そのために自分を磨く人が、きっと新しい大きな障害を乗り越える力を得ることができるんだろうな・・・・と。
ちなみに今月のおすすめ寿司は「アンコウのから揚げ巻き」。でもいつも僕は商品名に商品説明するような名前は付けません。今回つけた名前は「KAMAKURA」です。
このお寿司、中に「アンコウのから揚げ」と「胡瓜の千切り」を入れて裏巻にして、外には「とびっ子」と「白ゴマ」。ソースには「ポン酢マヨネーズ」を使い、仕上げに上からたっぷりの「レモン果汁」を振り掛けます。
この不況の時代、決して安くない金額の寿司を長時間待ってくださるお客さんに、頭が上がりません。
僕が今の店の寿司を任せてもらえるようになってから、その月のおすすめ寿司は一度として同じものを作りませんでした。(あ、嘘。一度だけ自分が夏期休暇に入る時だけ同じのを出しました)
ですからもう二年分、つまり約24種類の創作寿司を作ったことになります。
今では毎月の新しい寿司を楽しみに来てくれる固定客もできました。その方は月初めには必ず来店して注文してくれます。また「3ヶ月前に食べたあの寿司をもう一度食べたい」といってアンコールしてくださるお客さんもいます。そんな自分のファンになってくださったお客さんを裏切るまいと、今日もまた新しいネタを練っています。
人は一人では生きていないし、また生きていけない。人は人に活かされ、人として生きるのだ、と切に思います。自分を待ってくれる人、自分を評価してくれる人、自分を必要としてくれる人、そのために自分を磨く人が、きっと新しい大きな障害を乗り越える力を得ることができるんだろうな・・・・と。
ちなみに今月のおすすめ寿司は「アンコウのから揚げ巻き」。でもいつも僕は商品名に商品説明するような名前は付けません。今回つけた名前は「KAMAKURA」です。
このお寿司、中に「アンコウのから揚げ」と「胡瓜の千切り」を入れて裏巻にして、外には「とびっ子」と「白ゴマ」。ソースには「ポン酢マヨネーズ」を使い、仕上げに上からたっぷりの「レモン果汁」を振り掛けます。
夏の間は激辛寿司を作り、これがかなり好評だったんですが、季節も変わったのでさらりとサッパリ系を押し出してみました。淡白でありながらコクのあるアンコウのから揚げにポン酢マヨネーズとたっぷりのレモン果汁がしっとり絡んで、なかなかいけてる・・・と思っています。本日二組のお客さんが注文(いずれも常連さん)頂いたのですが、「エクセレント!」のお声を頂きました。
なぜ「kamakura」なのか・・・・、ご存知でしょうか? 昔高校の頃にサザンが出したアルバム「kamakura」を。実はこのアルバムを通してとても甘酸っぱい恋の思い出があるのです。切ない恋・・・ですかぁ・・・ハイ、この甘酸っぱさとレモンのさわやかさを引っ掛けて・・・・なんですが、かなり後付です。・・・・すみません。でもこれくらいのしゃれっ気も必要です。
2009年10月4日日曜日
Oktoberfest
2009年10月3日土曜日
マグロ解体
今日夕方にスペインから空輸でマグロが届きました。
毎月に一度、地中海で獲れるものを直送してもらっています。いつもは60から70キロのものを頂いているのですが、本日は83キロ、少し大きいです。前に95キロをさばきましたが、一人でやるにはやはり70キロくらいがちょうど良いです。日本にいるときはブロックのものを仕入れていたので、マグロの解体はこっちに来てから習いました。
基本的に日本と同じ規格のものは手に入らないと考えた方がいいですね。と言うか、たぶん日本が至れり尽くせりなんだと思う。「豚バラ肉」だって、半身のブロックから骨取りして、サク取りして、一旦冷凍してからスライス・・・・なんて手間、日本にいたとき考えなかったです。
しかし、マグロの解体はほんと体力仕事です。こっちの気温は既に最高16度とかなのに、さばいてる最中は汗だくです。
こんな日のまかないはマグロの剥き身で「鉄火丼」!! ささやかな、そして贅沢なひととき、です。
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