2009年10月5日月曜日

活かされている

「本日、お寿司が少し時間がかかります」 込みみはじめたとき、ホール係がお客さんにひとこと言ってくれるのですが、多くのお客さんが「かまわないよ、ここの寿司を食べに来たんだから」とこころよく待ってくれます。


この不況の時代、決して安くない金額の寿司を長時間待ってくださるお客さんに、頭が上がりません。

僕が今の店の寿司を任せてもらえるようになってから、その月のおすすめ寿司は一度として同じものを作りませんでした。(あ、嘘。一度だけ自分が夏期休暇に入る時だけ同じのを出しました)
ですからもう二年分、つまり約24種類の創作寿司を作ったことになります。

今では毎月の新しい寿司を楽しみに来てくれる固定客もできました。その方は月初めには必ず来店して注文してくれます。また「3ヶ月前に食べたあの寿司をもう一度食べたい」といってアンコールしてくださるお客さんもいます。そんな自分のファンになってくださったお客さんを裏切るまいと、今日もまた新しいネタを練っています。
人は一人では生きていないし、また生きていけない。人は人に活かされ、人として生きるのだ、と切に思います。自分を待ってくれる人、自分を評価してくれる人、自分を必要としてくれる人、そのために自分を磨く人が、きっと新しい大きな障害を乗り越える力を得ることができるんだろうな・・・・と。

ちなみに今月のおすすめ寿司は「アンコウのから揚げ巻き」。でもいつも僕は商品名に商品説明するような名前は付けません。今回つけた名前は「KAMAKURA」です。

このお寿司、中に「アンコウのから揚げ」と「胡瓜の千切り」を入れて裏巻にして、外には「とびっ子」と「白ゴマ」。ソースには「ポン酢マヨネーズ」を使い、仕上げに上からたっぷりの「レモン果汁」を振り掛けます。


夏の間は激辛寿司を作り、これがかなり好評だったんですが、季節も変わったのでさらりとサッパリ系を押し出してみました。淡白でありながらコクのあるアンコウのから揚げにポン酢マヨネーズとたっぷりのレモン果汁がしっとり絡んで、なかなかいけてる・・・と思っています。本日二組のお客さんが注文(いずれも常連さん)頂いたのですが、「エクセレント!」のお声を頂きました。

なぜ「kamakura」なのか・・・・、ご存知でしょうか? 昔高校の頃にサザンが出したアルバム「kamakura」を。実はこのアルバムを通してとても甘酸っぱい恋の思い出があるのです。切ない恋・・・ですかぁ・・・ハイ、この甘酸っぱさとレモンのさわやかさを引っ掛けて・・・・なんですが、かなり後付です。・・・・すみません。でもこれくらいのしゃれっ気も必要です。

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