Kölnではわりに見かけた肉の量販店がここKielに来てなかなか見つからず、今日ようやく「Plaza」という大型スーパーで販売されているのを見つけました。約1.8kgの豚バラ肉(Schweinebauch)の塊。値段は約10ユーロ。1000円少し…かな。安い! 豚肉消費大国ドイツ。この新鮮な塊肉を見て放ってはおれまい。
今日はこれで「豚の角煮」を作ることに。本来作るのに一晩を要するふわふわ、ほくほくの「豚の角煮」を短時間で…。ここでは特別に裏技をご紹介。
まずは骨と皮を外します。
日本にいたらまずやる必要のなかった作業。これも中国人の料理人の方から教わりました。
そして食べやすい大きさにそれぞれ切り分ける。注意する点は肉の繊維に逆らうように切ること。
骨と皮は別の鍋に野菜くずと一緒に強火で煮てスープを作ります。できる限り無駄のないように。
よく熱したフライパンには油は引かず、背脂の方を下にして焼きはじめます。
結構な脂が肉から染み出てきます。これでまんべんなく肉の表面に焼き色をつける。香ばしさを出すのと、余分な脂を出すのと、うまみを閉じ込める働きがあります。だから完全に火を通す必要はありません。
ここで「裏技」。炭酸水をひたひたになるくらいまで入れる。日本では「重層」を使って野菜や肉を煮てその素材を柔らかくするのですが、ドイツでは手軽にそして安く手に入る炭酸水でまかなえます。この炭酸がもたらす効果は、動物や植物の細胞の膜を崩す作用があります。この場合、なかなかホクホクとろとろの状態にならない脂身をうまく柔らかくするのに適しています。
まずは強火で10分、その後中火でさらに煮込みます。
煮込んでいる間に生姜を皮ごと千切りに。皮の周りにこそ旨みと風味があるのです。
庭の鉢で育てている完全BIOの「わけぎ」も刈り取って来た。これも千切りにしておく。
んでまぁ…、一息入れておビールを。このキッチンで作りながら飲むビールが美味しいんです。今日はフレンスブルグの黒ビール「Frensburger Dunkel」。こっちに来てからこんな嫌みのない味わいの黒ビールにはまっています。
そうこうするうちに、ほどよい柔らかさに。竹串を脂身の方から刺して、「すっ」と通れば出来上がり。ここまでの煮込み時間は約20分。この段階で味付けしてもいいんですが、ここからは好みの問題。もう少しとろとろが好きなので、さらに20分煮込みました。
煮込み終了。そこで煮込んだ汁は惜しげもなく捨てます。日本料理で言う「煮こぼし」という作業です。余分な脂身は取れ、すっかりほぐれた肉たちを鍋に移します。
そのころには最初に煮込んだ骨と皮のスープもいい感じに。
そこでこれに使った骨を取り出して、大きさを揃えます。骨を叩き切るには少々の力仕事。
豚骨スープを鍋半分くらいまで入れ、酒、みりんを1:2の割合で投入。骨と生姜も合わせて一気に煮込みます。
甘みをみて「三温糖」を加える。日本から送ってもらった貴重な砂糖です。これだと嫌な甘みが出ない。まぁるい甘さ。そう、和菓子の甘みですね。
甘みを整えてから醤油を入れて好みの「甘辛さ」に持っていく。ほどよい照りが出たところで火を止めて、寝かせる。蓋をして最低20分は蒸らすような感じで放っておく。
食べる少し前に再び火入れして器に盛る。自家菜園の「わけぎ」を大量に乗っけて出来上がり。熱々のうちに、ホカホカ白飯と一緒に召し上がれ。
この工程で、予定通りの「ふわふわ豚の角煮」の出来上がり。
残った汁は残しておいて、翌日のお昼ご飯に…。
玉ねぎを大きめに切り、残っただしで煮込み、玉子をとじて「甘辛玉子丼」の出来上がり。実に無駄のないメニューです。お試しください。
(読んでる人がいれば…ですが)
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